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仮想ケースCASE SAMPLE / 月次面談メモ

辞める人が多いと、
数字はこう崩れる。

月額顧問の月次面談が、どんな会話になるかのサンプルです。件数は予算どおりなのに赤字が続く、小さな訪問看護ステーション(事務員なし、管理者が請求も訪問もする)を題材に、顧問がつけた面談メモの形にしています。

仮想ケースです。実在の事業所・人物ではありません。数字は、このサンプルのために作った架空の訪問データ(8月・480件)をPL管理システムに入れて計算した値です(勤怠・採用の内訳は設定値)。「結果」は数字から見込める想定で、実際の成果ではありません。
月次面談メモ架空の訪問看護ステーション(常勤看護師4名+管理者・事務員なし)/ 直近月 / 出席:管理者、T-lab

管理者の話

「訪問は1人100件ペースで回っていて、Aさんは120件。人は足りないのに、毎月赤字。採用は紹介会社に頼るしかなく、手数料が重い。そのうえ、最近ケアマネさんから新規の紹介が減ってきた。請求は私がやっていて、訪問も80件入っている。正直、回っていない。残業代は払っているが、辞めた人も、Aさんも、「忙しすぎる」「残業が多い」と言っていた。お金だけの問題ではないと思う」

数字(PL管理システムの8月分)

実績予算
訪問件数480件480件
1件あたり売上(平均単価)7,233円8,500円
売上347万円408万円(85%)
PL(訪問に直接かかった費用を引いた利益)159万円(PL率 45.9%)PL率 48%
稼働不足コスト(訪問に使えなかった時間の人件費)12万円―
固定費(採用関連・残業代を除く)111万円111万円
残業代(看護師)17.5万円5万円
採用関連費(紹介手数料・求人広告、直近12か月の月平均)43万円3万円
営業利益(概算)-24万円+77万円

件数は予算どおり。売上の不足61万円は、単価の差(1,267円×480件)で説明がつく。採用関連費を除くと約+19万円。

単価が低い理由

  • 訪問の64%が介護保険で、その7割が30分未満(1件 約4,700円)。全体の45%を占める。医療保険は36%(1件 約9,600円)。
  • 移動を1件20分として含めた1時間あたりPLは、介護の30分未満で約2,800円、医療保険で約4,200円。
  • 件数を足す方向で動くと、短時間の訪問が増えて、単価はさらに下がる。

参考:介護保険の訪問看護(ステーション)は、20分未満 314単位、30分未満 471単位、30分以上1時間未満 823単位、1時間以上1時間30分未満 1,128単位(2024年度改定時点。1単位あたりの金額は地域区分で10〜11.40円)。30分未満の訪問は、1回あたり約4,700〜5,400円。

採用関連費の中身

  • 直近12か月で、入職4名・退職4名。紹介会社への手数料 約420万円(1名105万円、年収の25%)+求人広告 約96万円=約516万円。
  • 採用費の大半は、増員ではなく、辞めた分の補充に使われている。

スタッフ別に見ると

スタッフ訪問件数残業(月・申告)夜間・休日の対応有給(今期)
Aさん(退職の意向あり)120件約30時間9回0日
Bさん104件約18時間3回3日
Cさん96件約12時間2回4日
Dさん(入職3か月)80件約10時間1回2日
管理者80件請求・事務で月約30時間――

残業・夜間休日・有給は、勤怠・オンコール表と本人の申告から転記。

  • 看護師4名の残業は合計で月約70時間。残業代は支払っている(月17.5万円、法定福利費は別)。
  • 利用者70人のうち14人は、Aさんしか訪問していない。
  • 半年で担当の看護師が変わった利用者が28人(40%)。
  • 新規の紹介は、以前は月6人、直近3か月は月2人。ケアマネから「また担当が変わるのか」と言われた。

数字を重ねると

辞める・残業に関わる費用月あたり
採用関連費(辞めた分の補充)43万円
残業代(70時間×2,500円。法定福利費は別)17.5万円
合計(売上347万円の約17%)約60万円
  • 残業代を払っていても、辞める人は辞める。お金で埋めているのは結果で、原因は残業の多さ・負担の偏りのほう。
  • 新規の紹介が月4人少ない状態が半年続くと、利用者1人あたり月売上約5万円として、月の売上で約120万円の差になる(試算。終了する利用者は考えない)。
  • 「離職 → 採用費 → 担当替え → 紹介減 → 人手不足 → 残業の増加 → 離職」と、同じところを回っている。

数字からは分からなかったこと

  • Aさん本人が、辞めるつもりなのか、働き方が変われば続けたいのか。
  • 退職した4名の理由が、残業の多さだけなのか、ほかにもあるのか(退職時の面談記録がない)。

決めたこと

  1. 残業の目安(月20時間)を決め、勤怠を日ごとに記録する。時間外労働の上限の扱いは、社会保険労務士に確認する。
  2. 管理者がAさんと1対1で話す。件数と残業を減らす具体策を先に示す。そのうえで、聞くことを目的にする。Aさんの件数120件を、3か月で100件に近づける。差の分は、立ち上がり中のDさんに回す。
  3. 紹介会社への依頼は保留。契約の返金規定(早期退職の場合)を確認する。
  4. 担当を変えるときは、事前に管理者がケアマネへ連絡する。月次報告に、紹介元別の新規人数と、担当が変わった利用者数を載せる。
  5. 医療保険の依頼を増やすため、病院の地域連携室・主治医へ、月1回の報告を始める。

次回までに

管理者:Aさんとの面談/社労士の予約/ケアマネへの連絡。 T-lab:Dさんの訪問枠の組み方、紹介元別の集計表のひな形、退職時の面談シートを渡す。

仕組み化で残業が減ると

いま3〜6か月後(想定)
看護師4名の残業(月)約70時間約20時間
うちAさん約30時間約8時間
残業代(支払い済み。70→20時間×2,500円、法定福利費は別)17.5万円5万円
管理者の請求・事務月約30時間月約15時間

減らす中身:①訪問記録のひな形化と、訪問の合間での記入 ②ルートと訪問枠の組み直し(Aさんの120件を100件へ) ③請求の手順書とチェック表。いずれも、訪問そのものを減らさずに、時間外に残っていた作業を減らす形。

単価を上げて、売上を増やす

件数は480件のまま、平均単価を7,233円から約7,700円(+約500円)にする。売上は月約24万円増える。

営業利益の積み上げ(月あたり・想定)

月あたり積み上げ
いまの営業利益-24万円-24万円
採用関連費:月43万円 → 約11万円+32万円+8万円
残業代:月17.5万円 → 5万円+12.5万円約+21万円
平均単価 +500円(売上 +24万円、PL +20万円)+20万円約+41万円

いまの営業利益(概算)

約 -24万円

月あたり。残業代を払ったうえでの数字。

3つが動いた場合(想定)

約 +41万円

月あたり。残業代を払い続けたうえで。単価アップによるPLの増加は、売上増の約85%として計算。

ケアマネからの新規紹介の回復分は入れていません。効果が出るのは半年〜1年先で、Aさんが辞めない保証はありません。残業が減っても、同行訪問の間は一時的に人件費の負担が増えます。Aさんが辞めた場合は、紹介手数料 約105万円と、後任が決まるまでのPLの減少が重なります。数字は仮想ケースの想定で、実際の成果を保証するものではありません。

MANAGEMENT / 数字で経営を動かす

KGI・KPI・KDIで、管理者の頭の中を外に出す

「忙しいのに回らない」ときは、目標、途中の数字、毎週の行動が、ひとつにつながっていません。このケースでは、次のように決めます。

階層指標目標(12か月後)見る頻度使うシート
KGI
最終のゴール
営業利益月 +40万円四半期14 予実管理
スタッフの定着年間の退職 1名以下四半期月次報告
KPI
途中の数字
平均単価7,700円月次04 KPI Dashboard
医療保険の割合45%月次04 KPI Dashboard
採用関連費月12万円以内月次12 固定費明細
残業時間(看護師計)月20時間以内月次勤怠+10 スタッフ別
担当が1人だけの利用者数/新規の紹介14人 → 5人以下/月4人月次11 利用者台帳
KDI
毎週の行動
病院・主治医への報告(訪問または連絡)月4件週次18 週次トラッキング
算定チェック表の確認毎週1回週次16 算定ルールチェック
副担当の同行訪問月8回週次18 週次トラッキング
担当替えのときの、ケアマネへの事前連絡100%週次月次報告
毎週15分

KDIを見る

やると決めた行動ができたかだけを見る。数字の良し悪しは、まだ見ない。

毎月60分

KPIを見る

月次報告を開いて、途中の数字が動いたかを確認する。動かなければ、KDIを見直す。

四半期に1回

KGIを見る

目標に近づいているかを確認し、次の3か月のKDIを決め直す。

KDI(重要行動指標)は、結果ではなく「やること」の数を数える指標です。小さい事業所では、KDIは5つ以内にしぼります。数字の目標は、このケースの想定値です。

WHAT T-LAB DOES / このケースで、T-labがやること

数字を読むだけで終わらず、仕組みに落とす

面談メモで決めたことを、実際に動く形にするところまで一緒に進めます。

01 / 属人化の解消

「あの人しか分からない」をなくす

このケース:Aさんしか訪問していない利用者が14人。請求は管理者だけ。

  • 利用者ごとの担当表(主・副)をつくり、2人目をつける順番を決める
  • 訪問の申し送りと、月次の請求作業を手順書にする
  • 管理者の請求を「手順書+チェック表」にして、休んでも止まらない形にする
  • 担当が1人だけの利用者数を、月次報告で追う
02 / 仕組み化

PL表と小さなシステムで、数字を回す

このケース:単価、採用関連費、残業が、バラバラの帳票に散らばっている。

  • PL管理システムを導入し、事業所に合わせて設定する
  • 勤怠の記録様式を整え、残業時間を毎月拾える形にする
  • 紹介元別の新規人数、採用関連費を月次報告に載せる
  • KGI・KPI・KDIを一緒に決め、週次15分・月次60分・四半期の見方を定着させる
  • 訪問後の記録・移動・訪問枠の組み方を見直し、残業そのものを減らす(記録のひな形、ルートの組み立て、件数の偏りの調整)
  • 必要に応じて、訪問ルートや送迎の組み立てなど、小さなシステムをつくる(制作例)
03 / 発信の刷新

ホームページとSNSで、採用と紹介元に届ける

このケース:採用は紹介会社頼み。ケアマネからは、入れ替わりが多いと見られている。

  • 採用ページ:給与、残業、オンコールの実際を正直に載せる(制作例)
  • ケアマネ・病院向けの紹介ページと、担当替えの連絡のしかた
  • ThreadsやInstagramの運用方針と、投稿の型づくり
  • 紹介手数料1名分(約105万円)の一部を、自社で採用できる土台づくりに回す選択肢もある

料金の目安:ホームページ制作 50,000円〜(税抜・顧問先は2割引)、システム制作は応相談、月額顧問はサービス・料金をご覧ください。効果は事業所の状況によって変わり、成果を保証するものではありません。

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単価の内訳、採用関連費、スタッフ別の件数と残業。並べるだけで、見えてくるものがあります。まず無料版に入れてみてください。