月額顧問の月次面談が、どんな会話になるかのサンプルです。件数は予算どおりなのに赤字が続く、小さな訪問看護ステーション(事務員なし、管理者が請求も訪問もする)を題材に、顧問がつけた面談メモの形にしています。
「訪問は1人100件ペースで回っていて、Aさんは120件。人は足りないのに、毎月赤字。採用は紹介会社に頼るしかなく、手数料が重い。そのうえ、最近ケアマネさんから新規の紹介が減ってきた。請求は私がやっていて、訪問も80件入っている。正直、回っていない。残業代は払っているが、辞めた人も、Aさんも、「忙しすぎる」「残業が多い」と言っていた。お金だけの問題ではないと思う」
| 実績 | 予算 | |
|---|---|---|
| 訪問件数 | 480件 | 480件 |
| 1件あたり売上(平均単価) | 7,233円 | 8,500円 |
| 売上 | 347万円 | 408万円(85%) |
| PL(訪問に直接かかった費用を引いた利益) | 159万円(PL率 45.9%) | PL率 48% |
| 稼働不足コスト(訪問に使えなかった時間の人件費) | 12万円 | ― |
| 固定費(採用関連・残業代を除く) | 111万円 | 111万円 |
| 残業代(看護師) | 17.5万円 | 5万円 |
| 採用関連費(紹介手数料・求人広告、直近12か月の月平均) | 43万円 | 3万円 |
| 営業利益(概算) | -24万円 | +77万円 |
件数は予算どおり。売上の不足61万円は、単価の差(1,267円×480件)で説明がつく。採用関連費を除くと約+19万円。
参考:介護保険の訪問看護(ステーション)は、20分未満 314単位、30分未満 471単位、30分以上1時間未満 823単位、1時間以上1時間30分未満 1,128単位(2024年度改定時点。1単位あたりの金額は地域区分で10〜11.40円)。30分未満の訪問は、1回あたり約4,700〜5,400円。
| スタッフ | 訪問件数 | 残業(月・申告) | 夜間・休日の対応 | 有給(今期) |
|---|---|---|---|---|
| Aさん(退職の意向あり) | 120件 | 約30時間 | 9回 | 0日 |
| Bさん | 104件 | 約18時間 | 3回 | 3日 |
| Cさん | 96件 | 約12時間 | 2回 | 4日 |
| Dさん(入職3か月) | 80件 | 約10時間 | 1回 | 2日 |
| 管理者 | 80件 | 請求・事務で月約30時間 | ― | ― |
残業・夜間休日・有給は、勤怠・オンコール表と本人の申告から転記。
| 辞める・残業に関わる費用 | 月あたり |
|---|---|
| 採用関連費(辞めた分の補充) | 43万円 |
| 残業代(70時間×2,500円。法定福利費は別) | 17.5万円 |
| 合計(売上347万円の約17%) | 約60万円 |
管理者:Aさんとの面談/社労士の予約/ケアマネへの連絡。 T-lab:Dさんの訪問枠の組み方、紹介元別の集計表のひな形、退職時の面談シートを渡す。
| いま | 3〜6か月後(想定) | |
|---|---|---|
| 看護師4名の残業(月) | 約70時間 | 約20時間 |
| うちAさん | 約30時間 | 約8時間 |
| 残業代(支払い済み。70→20時間×2,500円、法定福利費は別) | 17.5万円 | 5万円 |
| 管理者の請求・事務 | 月約30時間 | 月約15時間 |
減らす中身:①訪問記録のひな形化と、訪問の合間での記入 ②ルートと訪問枠の組み直し(Aさんの120件を100件へ) ③請求の手順書とチェック表。いずれも、訪問そのものを減らさずに、時間外に残っていた作業を減らす形。
件数は480件のまま、平均単価を7,233円から約7,700円(+約500円)にする。売上は月約24万円増える。
| 月あたり | 積み上げ | |
|---|---|---|
| いまの営業利益 | -24万円 | -24万円 |
| 採用関連費:月43万円 → 約11万円 | +32万円 | +8万円 |
| 残業代:月17.5万円 → 5万円 | +12.5万円 | 約+21万円 |
| 平均単価 +500円(売上 +24万円、PL +20万円) | +20万円 | 約+41万円 |
月あたり。残業代を払ったうえでの数字。
月あたり。残業代を払い続けたうえで。単価アップによるPLの増加は、売上増の約85%として計算。
ケアマネからの新規紹介の回復分は入れていません。効果が出るのは半年〜1年先で、Aさんが辞めない保証はありません。残業が減っても、同行訪問の間は一時的に人件費の負担が増えます。Aさんが辞めた場合は、紹介手数料 約105万円と、後任が決まるまでのPLの減少が重なります。数字は仮想ケースの想定で、実際の成果を保証するものではありません。
「忙しいのに回らない」ときは、目標、途中の数字、毎週の行動が、ひとつにつながっていません。このケースでは、次のように決めます。
| 階層 | 指標 | 目標(12か月後) | 見る頻度 | 使うシート |
|---|---|---|---|---|
| KGI 最終のゴール | 営業利益 | 月 +40万円 | 四半期 | 14 予実管理 |
| スタッフの定着 | 年間の退職 1名以下 | 四半期 | 月次報告 | |
| KPI 途中の数字 | 平均単価 | 7,700円 | 月次 | 04 KPI Dashboard |
| 医療保険の割合 | 45% | 月次 | 04 KPI Dashboard | |
| 採用関連費 | 月12万円以内 | 月次 | 12 固定費明細 | |
| 残業時間(看護師計) | 月20時間以内 | 月次 | 勤怠+10 スタッフ別 | |
| 担当が1人だけの利用者数/新規の紹介 | 14人 → 5人以下/月4人 | 月次 | 11 利用者台帳 | |
| KDI 毎週の行動 | 病院・主治医への報告(訪問または連絡) | 月4件 | 週次 | 18 週次トラッキング |
| 算定チェック表の確認 | 毎週1回 | 週次 | 16 算定ルールチェック | |
| 副担当の同行訪問 | 月8回 | 週次 | 18 週次トラッキング | |
| 担当替えのときの、ケアマネへの事前連絡 | 100% | 週次 | 月次報告 |
やると決めた行動ができたかだけを見る。数字の良し悪しは、まだ見ない。
月次報告を開いて、途中の数字が動いたかを確認する。動かなければ、KDIを見直す。
目標に近づいているかを確認し、次の3か月のKDIを決め直す。
KDI(重要行動指標)は、結果ではなく「やること」の数を数える指標です。小さい事業所では、KDIは5つ以内にしぼります。数字の目標は、このケースの想定値です。
面談メモで決めたことを、実際に動く形にするところまで一緒に進めます。
このケース:Aさんしか訪問していない利用者が14人。請求は管理者だけ。
このケース:単価、採用関連費、残業が、バラバラの帳票に散らばっている。
このケース:採用は紹介会社頼み。ケアマネからは、入れ替わりが多いと見られている。
料金の目安:ホームページ制作 50,000円〜(税抜・顧問先は2割引)、システム制作は応相談、月額顧問はサービス・料金をご覧ください。効果は事業所の状況によって変わり、成果を保証するものではありません。
単価の内訳、採用関連費、スタッフ別の件数と残業。並べるだけで、見えてくるものがあります。まず無料版に入れてみてください。